事故や事件の加害者に裁判所が下す判決は被害者の性別により異なる傾向があるという。裁判所は「女の値段」をいかに算定しているのか。実際の判例から紐解いていこう。

かつて、裁判所が提示する「体の値段」は、男女ではっきりと違った。そもそも筋肉量が少ない女性は、同じ事故でも男性より肉体的ダメージを受けやすい。さらに、「女性は見た目の傷が価値低下につながりやすい」と考えられていたため、同程度の傷でも女性のほうには高い賠償金が支払われていたのである。

男女平等の考えが浸透した結果、後遺障害を14のランクに分ける「自賠責保険 後遺障害別等級表」が平成23年から改められ、表向きには男も女も体の値段は同額になった。それでもやはり女性のほうが体の傷に対する「心の傷」を考慮されやすい実態はある。「顔に跡が残る火傷をした」という傷そのもののランクは男性と同じ第12級でも、「その傷跡によって鬱になった」というプロセスを経ることで、賠償金を多少引き上げられるというわけだ。

この状況は、警察も検察も裁判所も圧倒的な男社会であることが原因だろう。彼らの根底にある「女の体のほうが傷つきやすい」という思いが、女の体の値段を引き上げている。

また、裁判員裁判が行われるようになってからは、性犯罪を重罪化する傾向にある。犯罪の量刑相場を知らない一般人が、犯人への憎しみから相場より重い刑を判断するからだ。