マイナンバーの実務は企業の総務・人事担当者だけではなく、営業部門など一般の社員も無関係ではいられない。法律による「罰則」「立ち入り」といった怖い話も伝えられているが、実際にはどうなのか。第一人者にズバリと答えてもらった。

従来の対策では「間違い」の可能性も

2016年1月の本格導入を前に、個人あてに通知カードが届いた。マイナンバー法の原理と実務に詳しく、ビジネスパーソン向けの多くのセミナーで対処法を指南してきた影島広泰弁護士の下には、企業の総務担当者から実務上の問い合わせが相次いでいる。

法律はできた。企業側も、それに合わせた一応の対策を整えている。各種のガイドブックも数多く出版されている。では、「総務のプロ」たちはなぜ、いまになって不安に駆られるのか。

実をいうと、関係省庁による政省令レベルの細則が12月初旬の時点でも定まっておらず、流動的な部分が多いからだ。たとえば従業員に12月の給与明細書とともに同封される「源泉徴収票」の場合、当初は個人番号の記載義務があったが、10月2日に所得税法施行規則が再改正され、個人番号記載の義務がなくなった。

また、従業員が年末に提出する「扶養控除申告書」に個人番号を記載する場合も、会社が事前に従業員から提供を受けた情報をもとに、住所・氏名とともに個人番号を印字して、従業員に確認の印鑑を捺印してもらう対応でもよくなった。

つまり、従来の対応策では、「間違っている」可能性があるのだ。そこで次ページより、影島弁護士による最新アドバイスをお届けする。