突然で恐縮だが、最近、あなたの貯金は少しでも増えているだろうか?

2009年の調査では、1年前に比べて「貯蓄が増えた」と答えた人は全体の2割以下。「貯蓄が減った」という人が4割強で、うち6割弱がその理由として「定例的な収入が減ったので貯蓄を取り崩したから」と答えている(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査・2人以上世帯」)。

「なんだ、貯金が減ったのはウチだけじゃないのか!」

などと、安心してはいけない。

プレジデント読者の世代なら、これから教育費や老後資金の重みがグンと増してくるはずだ。今、生活のために貯金を取り崩しているようでは先々、資金不足は避けられない。とはいえ、ギャンブル投資で一発逆転を狙うのは論外。ここは、少しずつでも確実に貯金を増やす算段が必要だ。

最良の方法として、おすすめしたいのが「財形貯蓄」。勤労者のための公的な貯蓄制度(所轄は厚生労働省)で勤務先に制度があれば利用できる。積立額は毎月の給与や賞与から天引きされ、利用者には利子非課税や融資制度の特典がある。

「なんだ、今さら」という人もいるかもしれない。確かに、現在のような超低金利では利子非課税の魅力は薄い。しかし、財形貯蓄の最大の強みは、「給与天引き」という点にある。最初から“なかったもの”と思って生活するから、自然にお金が貯まる、というわけだ。

そもそも、会社で申し込むため、始めるときの敷居は低く、逆におろすときは担当者の目が気になって二の足を踏みがちだ。

会社が倒産したら財形もパーになるのでは?  と心配する人もいるが、その不安があるのは社内預金である。財形は会社を窓口として外部金融機関に預託するしくみなので、会社が倒産してもゼロになることはない。