地方で開催される「食の祭典」が盛況だ。たとえば、9月19、20日に秋田県横手市で行われ、テレビなどでも話題になった「B-1グランプリ」。焼きソバや餃子など、全国から集まったご当地B級グルメのトップを決めるイベントで、毎年場所を変えながら今年で4回目。事前に来場者15万人、5億円の経済効果が予想されていたが、蓋をあけてみたら、なんと26万人が訪れたというからすごい。

今年の軽井沢での「クーカル」のワンシーン。緑の中で、シェフを間近に食事ができる。

今年の軽井沢での「クーカル」のワンシーン。緑の中で、シェフを間近に食事ができる。

2006年から始まった軽井沢の「クーカル」も人気の食イベント。東京や地元のシェフが、地場素材を織り交ぜた料理を作り、一夏限りのレストランを開く。初年度は約20人、この夏は約30人のシェフが2カ月にわたって来客者をもてなした。初年度1万人だった来客数もいまや2万人。そして、今年はついに、山中湖、奈良にも飛び火!軽井沢は約6割が、やはり夏に開催された山中湖は約7割が県外からの来客だったそう。

待望の奈良は、11月3日から23日まで“馬肥ゆる秋”に開催される。地元の人にも積極的に呼び掛け、トータルで1万1000人の来客を予想。地方自治体からの注目も高く、「今後、我々が続けていくかどうかにかかわらず、地方での食のイベントは広がっていくのではないでしょうか」とクーカル代表の西森陸雄さん。

今年で2回目となる、勝沼の「ワインツーリズム山梨」もますます注目を集めるイベントのひとつ。今年の開催は11月7日。地元の31ものワイナリーが参加し、人々は、それらをめぐりながら、ブドウ畑を見たり、もちろん試飲もできる。大人の遠足とでもいったふうで、何とも楽しそう。

おいしい空気とおいしい料理。食の楽しさを体いっぱい感じるこんな祭典。今年の秋はぜひ、いかが。