2011年3月13日、災害時に有効な知識を集めて共有するサイトとして「OLIVE」を立ち上げました。開設からおよそ3週間で「新聞紙で暖を取る方法」「ペットボトルから皿を作る方法」など100以上のアイデアが寄せられた。2、3カ月が経ち被災地に物資が行き届いた頃、生き残るためのノウハウを伝えるサイトから防災プロジェクトとして、「OLIVE」はその役割を変化させていきました。

デザインした人 太刀川英輔(デザイナー)

程なくしてあるアイデアが頭に浮かびました。「OLIVE」を展開させて「防災キット」を作りたい――。それも東北の企業と提携して作りたい。歴史上最大級の災害が起こった場所から最大級の防災産業を生み出すことで、ネガティブな状況から少しでもポジティブな要素を生み出したかった。

しかし、アプローチできる限りの東北の企業に話を持ちかけてはみたものの、なかなか提携してくれる企業が見つからない。そこから1年が経った頃、「OLIVE」を見た仙台の高進商事から1本の電話がありました。それは、サイト上で共有されている内容を、自社で作る防災キットの中に入れたいという、こちらにとって願ってもない申し入れでした。

最初のミーティングで顔を合わせると、「THE SECOND AID」というネーミングも含め、あらゆることが一気に決まりました。デザインを手がける際に重要視したのは3つ。本棚に置けるA4サイズのボックスにすること、見た目にもスッキリとした整理された道具感を出すこと、そのために白と赤を基調にすることです。