3次元データを使い、樹脂や金属などを使って立体物を造形する「3Dプリンター」。矢野経済研究所によると、2017年の世界3Dプリンター市場は出荷数量ベースで32万台となり、13年実績から4.5倍に増加。国内では17年に2万2000台で、13年の約6倍になる見込みだ。

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3Dプリンターの世界市場規模

3Dプリンターを使ったプリントサービスを手掛けるオフィス24の小島将代表取締役副社長は「13年10月のサービス開始当初は、メーカーの製品サンプルやディベロッパー向けに建造物の模型を作るなど、依頼の多くは法人になると見込んでいた」という。だが実際にサービスを開始して以降、「法人からの依頼も想定通りあったものの、予想以上に大きく伸びているのは個人からの依頼。七五三など、従来は家族写真を撮っていたような場面で家族フィギュアを作ったり、職場を退職する人に本人のフィギュアを贈ったりといったケースでの利用が多い」(小島氏)。

小島氏は「個人用と業務用では、プリンターのヘッド部分の性能に大きな違いがある。写真代わりにフィギュアを、といった細部までこだわったほうがよい用途では、業務用が優れている」と説明する。最近では、個人宅で利用できる3Dプリンターが20万円程度の価格で購入でき、今後も使い方が広がるだろう。

(大橋昭一=図版作成)
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