LCCとはLow Cost Carrierの略で、運航コストを抑え、運賃を非常に安く提供する航空会社のことである。

2010年7月に中国・上海に拠点を置く、春秋航空の茨城─上海線、12月には「LCCの黒船来襲」ともいわれた、マレーシアのエアアジアXが羽田空港初のLCCとして羽田─クアラルンプール線を就航するなど、海外の格安航空会社が相次いで日本上陸を果たした。関西国際空港も含めると、現在、日本には7社の海外LCCが就航している。3月下旬には春秋航空が高松─上海線にも就航する予定だ。

LCCの最大の魅力はやはり運賃の安さにある。春秋航空は、上海へ片道4000円のキャンペーン運賃が同社の知名度アップに大きく貢献した。また、エアアジアXも就航記念運賃の片道5000円(発売終了)が注目を集めた。

利用者の目線から見て、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)など一般の航空会社と大きく異なるのは、従来当たり前だったサービスが「有料」であるということだ。例えば、預ける荷物は、一般の航空会社の場合、20キロ(エコノミークラス)までは無料であるが、LCCでは1個目から有料の場合がほとんどである。エアアジアXのクアラルンプール行きでも、事前決済の場合で15キロまで1000円などとなっている。機内サービスも同様で、機内食、ドリンク、さらには毛布まで有料となっている徹底ぶりだ。

とにかく低コストで収益を出すというビジネスモデルを展開するLCCでは、他の航空会社に比べてシートの横幅やピッチ(前後幅)を狭くすることで、座席数を2~3割程度増やしている。そのため、満席便では機内で少し窮屈な思いをするかもしれないが、短時間の移動手段として割り切って考えるのであれば特に問題ないだろう。逆に、機内食やシートテレビを満喫したい人にはあまりお勧めしない。