来年のオリンピックに向けて著しいレベルアップ

梅雨空の下、女子ラガーが芝を駆け回る。誠実と勤勉と熱意が生み出す女子セブンズの輝きはどうだろう。どの選手も「ひたむき」でカッコいい。来年のリオデジャネイロ五輪から正式競技となる7人制ラグビー(セブンズ)の女子は確実にレベルアップし、白熱した戦いが増えてきた。

21日の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2015第2戦、東京大会(秩父宮ラグビー場)である。決勝では、東京フェニックスがラガール7に競り勝ち、初優勝を飾った。「ムチャクチャ、うれしいです」と、東京フェニックスの四宮洋平監督は顔をくしゃくしゃにした。

「(女子のレベルアップには)びっくりです。去年でいうと、前に出てタックルする。あるいはボールを外に振る。それで、終わりだった。でも今では、キックも蹴るし、戦術的な緩急をつけて攻めることができる。相手を崩せるようになった。当たらずにして、ボールを動かせるようになりました」

そうなのだ。セブンズは、15人制ラグビーと似て非なるものである。15人制と同じ広さのグラウンドを、1チーム7人でプレーするのだから、1人のスペースは広くなる。そのスペースをどう生かすか。どう守るか。個々のフィジカル、スピード、フィットネス、スキルも大事だが、セブンズならではのつなぎ、動き、判断力が求められることになる。

五輪競技となったことで、日本ラグビー協会も強化・普及に本腰を入れ出した。日本代表の長期間の強化合宿のほか、昨年、この国内大会(ウィメンズセブンズシリーズ)を発足させた。昨年は3大会、今年は1つ増えて4大会となった。四宮監督は「女子のレベルアップにつながっていると思う」と歓迎する。