11年8月19日、円が1ドル75円95銭という対ドル史上最高値を更新したが、手軽に円高メリットを享受できる方法にはどんなものがあるのか。手軽さという意味で「松竹梅」で格付けすると、まず「梅」は日本でディスカウントストア(DS)へ行くことだ。バッグや時計などのブランド品からパスタ、オリーブオイルなどの食料品まで多くの並行輸入品が円高還元価格で購入できる。お得度は高額商品ほど高くなるので、例えば時計を買う場合はワンランク上の30万円以上の価格帯を狙うとよいだろう。中でもロレックスは人気が高く大量販売が見込めるので、店側は思い切った円高還元価格で攻めている。

ただしドル/円が過去最高値を付けたというニュースを見て、その足で店に向かうことはない。価格改定されるまでに通常2週間程度のタイムラグがあるからだ。それでも大手総合スーパーや百貨店よりもDSのほうが為替相場に敏感に反応する傾向が強く、大手では特にドン・キホーテがこまめに改定する傾向に。円高還元商品は少量入荷の可能性もあるので、定期的に売り場を巡回しよう。逆にブランド品の正規代理店は、原則年1~2回の価格改定しか行わないのでお得度は薄い。輸入車も円高還元をうたうことはまれだが、顧客からの値引き要求が強いせいか、オプション品で円高分を調整する傾向が強まっている。

次に「竹」。価格がドルで表示されている海外のインターネット通販サイトで、クレジットカードを使ってショッピングする方法だ。通販サイトからカード会社に決済伝票が送られるまでに多少のタイムラグが生じるが、それでも店舗よりはダイレクトに円高メリットが得られる。通販で気をつける点は送料。数千円にもなる国際宅配送料を請求されたのでは円高メリットが薄れてしまうので、香港のDeal Extremeのような送料無料のサイトを選ぶとよい。