短期間で大成功する人は私たちと何が違うのか。
努力量はほぼ一緒、学び方の小さなコツに秘密があった。

朝風呂に入りつつ情報収集

マネックス証券社長兼CEO 松本 大氏

情報収集術は、ビジネスマンにとって必要不可欠なものの一つだが、ニュースを定番の日経新聞だけに頼っていてはもはや十分ではない時代に入った。私の情報収集も、今やネットが中心となっている。ネットは早いし、幅も広い。仕事をしていくうえでは網羅的に情報を知っておくことも必要だ。浅く知って、興味あるところを掘っていくのが効果的だ。まず大事なのは、情報を得るための下地をつくることだ。例えば、Yahoo!ニュースは、主要ニュース、経済、エンタメ、スポーツ、国内、国際、IT、科学、地域とジャンルが多岐にわたっており、見出しを見るだけでも世間で起きていることがわかる。

情報収集は幅広く、バランスよく取ることが基本だ。ビジネス情報では「NewsPicks」というニュースアプリをよく使っている。経済ニュースを中心に、各界の専門家のコメントが一覧できて、世間の様々な見方を効率よく知ることができる。また、「Newsstand」という新聞・雑誌アプリもいい。ニューヨーク・タイムズをはじめ、ビジネス、テクノロジー、ファッション、旅行、映画、芸術など様々なジャンルのニュースを無料(一部有料)で読める。もちろん、これらすべてを読むことはさすがにできないが、ぱらぱらと見出しを見るだけでも、それだけで世界のパースペクティブ(大局観)について触れることができるだろう。ウォール・ストリート・ジャーナルなどの英字新聞は、日本では報道されていないが、世界各地でいろんな重要な問題が起こっていることを教えてくれる。世界のパースペクティブを持つうえでは非常に役に立つ。

もっとも、本当にビジネスに使える情報については、その分野に詳しい専門家のリサーチレポートを入手するか、専門家に直接ヒアリングしている。

情報を深く掘るには、世間にすでに流れているような“川下”のニュースではなく、ニュースの発信源である“川上”の情報に近づこうとすることが必要だ。私はニュースを決して、鵜呑みにしない。ニュースの裏側にある情報ソース、考え方について探ろうというスタンスを長年とっている。

ただ、そうした情報を得るために、大勢の人とコミュニケーションをとらなければならないとは思っていない。むしろ数人規模のコアな友人、知人のグループを持つだけのほうが役立つことが多い。もしグループの中に目当ての専門家がいなくても、知人の伝手を辿って別の専門家を紹介してもらえばいい。