素人ほど食品添加物の名前にこだわりますね。でも、それはナンセンス。現在、認可されている食品添加物は約1500種。スーパーやコンビニの店頭で、ラベルに書かれている添加物を一つずつ調べるのは物理的に不可能です。

「不自然」な食べ物を「怖い」と思う感覚こそが重要だ!<br><strong>食品ジャーナリスト 安部 司●</strong>1951年生まれ。著書『食品の裏側』は70万部のベストセラーに。2009年1月に次作『なにを食べたらいいの?』(新潮社)を上梓。
「不自然」な食べ物を「怖い」と思う感覚こそが重要だ!
食品ジャーナリスト 安部 司●1951年生まれ。著書『食品の裏側』は70万部のベストセラーに。2009年1月に次作『なにを食べたらいいの?』(新潮社)を上梓。

一つ一つの食品添加物は動物実験で安全が確認されています。ただし複数の添加物を組み合わせたケースは、まだよくわかっていません。3年前、清涼飲料水に含まれていた保存料の安息香酸と酸化防止剤のビタミンCが反応し、ベンゼンという発ガン性物質が発生することがわかりました。すぐに回収されたものの、一部はすでに飲まれた後でした。添加物を「怖い」と思うのはもっともです。

私たちが食品添加物を活発に摂るようになって、まだ40年程度です。極端にいえば「人体実験中」ともいえます。もしかしたら、摂取した本人ではなく、子どもや孫に影響を与える危険性だってないとはいい切れません。本当に安全かどうかはよくわかっていないんです。

それでも食品添加物が大量に使われるのは「安い」「見た目がキレイ」「調理が簡単」「長持ちする」「味付けが自由自在」という5つのメリットがあるからです。

自炊しない成人男性が1日に摂取する添加物は、のべ500~800種類。コンビニの唐揚げには約20種類、おむすびには7~8種類が使われています。食品添加物なしには、コンビニもファミレスも存在しないといっても過言ではありません。