PANA=写真
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内閣官房長官 枝野幸男(えだの・ゆきお)
1964年、栃木県生まれ。東北大学卒業後、88年司法試験合格。93年日本新党から初当選。96年旧民主党結成に参加、98年民主党結成に参加。2011年1月の内閣改造で現職就任。


 

ノンフィクション作家や政治ジャーナリストが“枝野本”刊行のタイミングを狙っている。「次の次の総理に限りなく近い人物」だというのだ。株が急上昇しているのは「東日本大震災」の記者会見のためである。

福島第一原子力発電所で高濃度放射性物質が放出された事実が明らかになったときや、東京電力が初の「計画停電」(輪番停電)を一部地域で実施した際の会見で、質問をしてくる記者の顔を見ながら丁寧に答えた。事前に用意されたペーパーを読んでいるのではなく、自分の言葉で話す立ち振る舞いには妙に説得力があり、誠実そうな人柄が表れていた。画面を通じて好感をもった視聴者も多かったのではないか。

これが仙谷由人・前官房長官であったらどうだろう。この2人は、同じ弁護士出身ということもありウマが合うのだが、やや短慮なところがある仙谷氏を反面教師とし、枝野氏は慎重な発言に徹することを学んだようだ。

24歳で司法試験に合格し、29歳のときに政治の世界に転身。注目されたのは1995年からの薬害エイズ問題の追及と和解の実現である。2009年の事業仕分けで、統括役として脚光を浴びたことは記憶に新しい。政治家としてのアキレス腱は根が真面目で駆け引きがあまり得意でないことだ。「華があまりない」「フットワークを軽く」といった声も党内から聞こえてくる。

一方で待望論も出る。ポスト菅といわれた前原誠司・前外務大臣をはじめとする主役たちが次々と要職を去り、注目されてきたのが「仕分け」コンビだ。蓮舫・消費者担当大臣との対立軸である。民主党総裁選に枝野・蓮舫両氏が名乗りをあげるというシナリオを描くジャーナリストもいる。どう采配を振り地震災害を乗り切るかが、枝野氏の試金石になるともいわれる。

(PANA=写真)