ビジネスは「つなぎ役」が9割

私は、長年、悪徳商法などに誘われれるまま「ついていったら、どうなるか」取材をしてきた。

「儲け話があるから話を聞かないか」「会って話がしたい」

彼らは勧誘するとき、事前に詳しい説明をしない。

以前、名刺交換をした40代くらいの女性から「新規ビジネスの説明会があるので、来てみませんか」と誘われた。私は再三再四「どんなビジネスですか」を尋ねたが、「まずご自分の目で確認してください」という、はぐらかした答えが返ってくるだけであった。

説明会にいくと、携帯電話につける1万円ほどの小型の付属機器を販売すれば儲かるという話であった。

その販売方法は、こうだ。

勧誘者はまずこの付属機器をターゲットとする人物の携帯電話に近づけて、あるSNSを紹介する。その人物がSNSを通じて付属器機を購入すると、20%=2000円のマージンが入る仕組みだ。

同じように、この購入者が別な人にSNSを紹介し、このサイトを通じて小型の機器を買うと、また購入代金の一部が、最初に紹介した人に入る。要は、SNSの紹介を広げれば、広げるほど、儲かる仕組みになっているというのだ。

この説明をした講師は締めくくりに「このビジネスに参加するには、代理店としての登録をしなければなりません」と、最後になって、このビジネスがマルチ商法であることを告げた。通常、マルチ商法では、参加するにあたり、特定負担金といわれる費用がかかるはずだが、ここでは何の説明もなかった。

説明会終了後、女性は喫茶店に私を誘ってきた。