ライブハウスで大人気「J&GO(杉作J太郎&吉田豪)」のお2人が面白深イイトークのコツを探ります。
杉作J太郎さん

【J(杉作J太郎)】「プレジデント」といえば、ビジネスリーダーが読む、どちらかというと保守層の雑誌でしょう? それが僕らのような下層の反体制というか革命勢力が出演しても大丈夫ですかね?

【GO(吉田豪)】いきなり大げさですね。

【J】でもね、豪ちゃん。僕は思うんですよ、優れたビジネスリーダーはある意味、革命家でなくてはいけない。そして優れた革命家は常に己の言葉を持っている、とね。

【GO】なに、「今、俺、いいこと言った」みたいな顔しているんですか。

【J】さてと、革命家といえばアントニオ猪木の話からはじめましょうか。猪木の言葉はやっぱりすごいですね。スティーブ・ジョブズが「ステイ・フーリッシュ」と言うずっと前から「馬鹿になれ」と言い続けていたのですから。

【GO】「いつ、なんどき、誰の挑戦でも受ける」と言ったがために、ひどい目に遭ったこともありましたね。実際に鎖鎌を持った空手家が「俺の鎖鎌と戦え」とやってきたし。

【J】宍戸梅軒だね。

【GO】猪木がうまいのは、そういう相手が来たら手を組んじゃう。「2人で空手の流派をつくろうじゃないか」と。そして、彼をジャイアント馬場に差し向けた(笑)。

【J】「戦わずして勝つ」っていうのとも、ちょっと違ってくるね。格闘家が発する言葉が面白いのは、発想が斬新というか極端でしょ。

【GO】プロレスで上に立つ人は、みんな共鳴しやすい言葉を持っていますよね。長州力の「俺はおまえの噛ませ犬じゃない」とか。

【J】肌で感じる言葉というか、頭で計算した言葉ではないですね。

【GO】プロレスのつくり物だけじゃないセリフ、本音だから面白いわけですよ。本気で藤波(辰爾)にジェラシーを感じているからこそ飛び出した言葉。だから観客は支持する。

【J】長州の言葉なんかは、叫びに近いね。叫びとか断末魔みたいな声って、心に響きやすいと思いますよ。

【GO】台本通りじゃダメだってことですね。

【J】格闘家の人たちは追い詰められている状態が多いでしょう。収入的にも、私生活的にも。

【GO】旬な時期も短いし。