「また若新が無責任なことを始めた」

若新雄純(わかしん・ゆうじゅん)
人材・組織コンサルタント/慶應義塾大学特任助教
福井県若狭町生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(政策・メディア)修了。専門は産業・組織心理学とコミュニケーション論。全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や女子高生が自治体改革を担う「鯖江市役所JK課」、週休4日で月収15万円の「ゆるい就職」など、新しい働き方や組織づくりを模索・提案する実験的プロジェクトを多数企画・実施し、さまざまな企業の人材・組織開発コンサルティングなども行う。
若新ワールド
http://wakashin.com/

僕が「NEET株式会社(http://neet.co.jp/)」や「鯖江市役所JK課(http://sabae-jk.jp/)」を始めた頃は、表象的な部分への注目から、「怪しい」などとさんざん言われました。最近の「ゆるい就職(http://yurushu.jp/)」にしても、「また若新が無責任なことを始めた」などと懐疑的な意見が噴出していたようです。

ちなみに、よく話題にのぼるPR手法については、別に「不本意」ということではなく、それはそれ、文脈の一つです。今回はこの場を借りて、それぞれの企画を考える上での骨子というか、少なくとも適当な思いつきではない、ということだけでもお伝えできればと思います。

ポリシーの要となっているのは、大学院時代から専攻している産業・組織心理学やコミュニケーション論の先行研究です。これは、一貫して僕の活動の拠り所となっています。最初は、産業・組織心理学の中でも、労働者のモチベーション(ワークモチベーション)や、職業人としての生涯学習や自己成長、キャリア開発に関する研究を行っていました。

これに興味を持ち始めた起源をたどると、おそらく思春期あたりにはその兆しがあったと思います。まさに、今もなお引きずり続けている自分の「中二病」がルーツです。中学入学後から自意識過剰な自分に目覚め、「個性的」という言葉に、やたらと執着し始めていたと思います。

そして、それらを抑圧するであろう社会的なシステムや枠組み、集団や組織から与えられる役割や評価といったものに、過剰な違和感というか、付き合いづらさを感じていました。そして、人それぞれが持つ多様な個性や才能をどう表現し発揮していくか、というようなことをやたらと考えるようになっていました。