別の企画を検討中頭に浮かんだもの

ガンホー執行役員 山本大介氏
1978年生まれ。ハドソンなどを経て、2011年にガンホー入社。

企画のアイデアは、ゲームをしているときや、映画を見た後、子供と遊んでいるときとか、ふとした瞬間に思いつくことが多いですね。

ただ、思いつくのはほんとに1行とか2行のアイデアです。忘れないよう、携帯から自分のgmailアカウントあてにメールで送っておくようにしています。専用のメールボックスを作って、忘れないようにためておく。するとそれらの小さなアイデアが、あるとき点と点がつながるような形で役に立つこともあります。

世界観を深く掘り下げなきゃいけないゲームを作る場合は、いろいろ資料を調べて、検証したりする場合もあるでしょう。僕は最近そういうゲームをあまり作っていなくて、どちらかというとちょっとしたアイデアを膨らませるといいますか、企画書を書きながら画面レイアウトをあれこれ考えたりして、徐々にゲームの企画に構築していくという形が多いと思います。

「パズル&ドラゴンズ」(以下「パズドラ」)のアイデアを思いついたのは、ガンホーに転職した直後のことでした。もともと温めていた別のゲームの企画書を書いていたんですけど、それがだいたい1週間でできあがりまして。それを社長のところに持っていく2日前に、パズドラの原型の企画を思いついて、結局そっちが採用されたんですね。

ヒントになったのは、「ダンジョンレイド」という海外製のパズルゲームです。同じゲーム業界の友人から「面白いゲームがあるよ」と勧められて。いわゆるロールプレイングゲーム(RPG)の世界観と、パズルゲームを組み合わせたゲーム性が非常に斬新で、確かに面白いと思いました。ただ、その一方で非常にストイックというか、演出も地味だしミスをするとすぐに死んでしまうしと、いわゆる一般受けはしなそうな作品でした。

“ダンジョンレイドと同じような面白さを持ちながら、もっと幅広い人々に楽しんでもらえるゲームはできないだろうか?”とは漠然と思ったんですが、そのまま考えを詰めることもなく、ずっと宙ぶらりんにしていました。ところが転職後に別の企画書を書いていて、久しぶりにすごく真剣にゲームのことを考えているときふとダンジョンレイドのことを思い出して、パズドラの原型がひらめいたんです。