シェアの差はわずか0.4ポイント

ダイハツ工業の軽自動車トップの座が危うくなってきた。今年1月~8月のシェアはダイハツ30.4%に対し、スズキは30.0%と、その差はわずか0.4ポイント。台数にすると、5600台弱で、もし9月の販売台数が8月のような数字だと、逆転されてしまう。

ミラココアの開発に当たって「ココかわプロジェクト」を結成。女性の声を取り込んで開発した。

8月の販売台数はダイハツが3万5454台に対し、スズキは4万2923台で、スズキのほうが7469台も多い。しかも、4月以降5カ月連続してダイハツはスズキに負けているのだ。

もちろんその間、ダイハツは手をこまねいて見ていたわけではない。6月に「コペン」、7月には「ミライース」と新型車を相次いで投入した。特にコペンは軽自動車オープンスポーツカーで、おまけに自分の好みに合わせて着せ替えも可能という画期的な車だ。月間販売目標700台に対し、7月約2400台、8月約3400台と目標を大きく上回る状態が続いている。

その結果、ダイハツ全体の軽自動車販売台数は前年よりも5.5%も伸びている。それでも、シェアを落としているわけだ。その理由は、スズキの販売が好調なことに他ならない。なにしろ今年1月に発売した軽自動車SUV「ハスラー」がアウトドアという趣味性を強く打ち出したことで爆発的なヒット。月平均8000台以上も売れているのだ。

スズキとしては、2007年に34年間守ってきた軽自動車トップの座をダイハツに奪われて以来、虎視眈々と奪還を狙ってきた。そのチャンスがここへ来てようやく訪れてきたということで、社内では相当力が入っているそうだ。