苦戦を強いられる大企業を尻目に、年率2割、3割増しで急成長するベンチャー企業がある。ベンチャー企業の経営者はどのような戦略、戦術をとっているのか。それらを検証していくことで、新しい儲けの道筋がきっと見えてくるはずだ。

パナソニック、シャープなど日本を代表する大企業の業績が軒並み低迷するなか、新たな経済成長の軌道に乗せる原動力としてベンチャー企業の活躍が以前にも増して期待されている。しかし、どれくらいのベンチャー企業が誕生し、新旧企業の新陳代謝が進んでいるのだろう。

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図1:低迷する開業率/図2:設立から3年以内の企業で存続している会社の数と黒字化の割合

「中小企業白書」で示された2009年の開業率は3.0%(図1参照)。これは同年に新たに設立登記された会社の数を前年の会社の数で除して求めた割合で、計算を始めた1955年当時は19.6%にも達していた。そこから8割以上も落ち込んだ水準になっているわけだ。その一方で09年の廃業率は3.1%となり、03年以来6年ぶりに会社の総数が減少に転じてしまった。日本経済に対する閉塞感が高まるのも道理である。

そして、12年11月までの過去3年間に設立された企業のうちどういった業種の企業が存続し、またどのくらいの割合で収益をあげているのか、企業信用調査会社大手の帝国データバンクの協力を得て調べた結果が図2のデータである。まず上段に示したものが存続している企業の数だ。

「存続企業は3万7539社で、そのうちサービス業が1万4358社と38.2%も占めています。IT系の企業だとパソコン一つあれば仕事が始められるように、大きな設備投資を必要とせず、身軽な経営を行えることが影響しているのでしょう。対照的に機械の購入などでまとまった設備投資を必要とし、資金繰りも厳しくなりがちな製造業は1897社で全体の5.0%にとどまっており、日本のモノづくりの衰退傾向を示しているようにも思えます」と同社情報部の内藤修氏は解説する。

次にどれくらいの企業が収益をあげているのかを示したものが下段の表だ。ただし、これは収益を開示し、黒字であった存続企業の割合である。設立間もない会社ほど“収益未詳”というケースが多い。「もっとも、その理由は赤字で開示できないという可能性が高いのです」(内藤氏)というから、実態に近いと考えて差し支えないだろう。全体で見ると黒字を計上している割合は15.6%にとどまる。安定した収益をあげていくのは、決してたやすいことではないようである。