日本産の野菜、果物に飛びつくのは日本人だけではない。香港には翌日到着も可能になった。輸出先進企業の取り組みから、明るい未来が見えてきた!

輸出インフラを使う――朝採れ野菜が翌日昼には香港の食卓に

徳島県の株式会社プロスコーポレーションは、県内を中心とする約80軒の農家や食品会社から農産物や加工品を集めて全国に販売している。創業は11年と歴史は浅いが、小売りだけでなく卸にも力を入れ、都内の有名レストランも顧客に持つ。

徳島県の契約農家の畑にて、山田社長(右)。鮮度に差が出る葉物野菜を多く入れている。国内向けにも減農薬・有機野菜のセットを3300円で販売。

「東京の税理士法人で国際税務に携わっていた頃、すだちが2個で300円もするのに違和感を覚えました。徳島県内だと箱いっぱいのすだちを500円で売っています。もっと適正な価格でいい品を売りたいと思い、地元に戻って起業することにしました。農業知識はゼロなので、いろいろ教えていただきながら評判のいい農家を一軒一軒訪ねて歩いています」

代表取締役の山田芳大氏は、実直な人柄が顔に表れているような人物だ。新潟の玉木氏のような豪傑でも東京の高橋氏みたいな切れ者でもない。海外進出も「国内で地盤をしっかり固めてから」と想定していたと振り返る。

「香港の現地スーパーから引き合いがきたこともあります。でもコスト面が折り合わず、収穫した農産物を翌日に届けることができないとわかってお断りしました」

プロスコーポレーションには「発送日の朝に収穫した新鮮な野菜を、翌日着で送る」という方針がある。かといって、空輸コストを下げられるほどの大きなロットの輸出はできない。オイシックスのように、自社倉庫をつくって船便も組み合わせ、全体として物流費を抑える体力もない。

同社のような地方発の農産物輸出業者を強力に後押しする物流サービスが昨年秋から本格スタートした。ヤマト運輸と全日本空輸(ANA)のタッグによる「国際クール宅急便」だ。国内各地から香港の個人宅に冷蔵・冷凍での翌日宅配を実現した。