老後を安心して送るには高齢者住宅、介護施設、在宅介護サービスをじっくり吟味し、自らが選ぶ時代を迎えている。
入居者が主体的に暮らす特養の試み/施設や職員の都合による日課(時間ごとのスケジュール)はなく、自宅での生活と同じように過ごすことができる。起床就寝、食事の時間も各自のリズムで行い、なるべく規則や制限をしないで、入居者のサポートを行うという。

ハードが介護力をもっている高齢者施設を2012年に所沢でオープンさせたのが、社会福祉法人天佑の三浦祐一理事長である。施設名のアンミッコは、イタリア語でウインク・小さな光という意味。スタッフと利用者がウインクひとつで通じ合うような場所にしたいという願いが込められている。

「トリプルAを目指しています。お年寄りの人生最後を飾る最高のステージを提供します」と語る三浦理事長は、施設運営、ハードの設計に至るまで細やかな配慮をしている。

基本設計は、介護施設建築の専門設計のノウハウをもつ設計事務所に、意匠設計はホテルや飲食店の設計で実績のある設計事務所に依頼。それだけに、建物に入ったとたん、赤を基調とした空間構成に圧倒される。「入居者にきれい、すてきの感覚を感じてもらう。家族は、高齢者施設に親を預けるという胸のつかえを美しい空間が癒やしてくれます。そして、ここで働きたいと言う職員を集める求心力にもなります」と三浦理事長。

「特別養護老人ホーム アンミッコ」を運営する社会福祉法人天佑の三浦祐一理事長。

ハードと並行して、サービスにも気配りがされている。自宅にいるときと変わらない生活を継続するため、時間スケジュールは決めていない。好きな時間に起きて食事ができる。入居者のためになることであれば業務に規制も設けない。サンクスから訪問コンビニも誘致している。

「ここで3年勤めればどこに行っても通用するスタッフ教育環境づくりにも力を入れています」

アンミッコには、従来の特別養護老人ホームの雰囲気は皆無である。施設そのものが大きく変化しつつある時代。サービス利用者は、本気で安心できる施設を探すために、自分でサービスを選ぶという姿勢をもたなければならない。

(和田久士=撮影)
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