統計を学びたいけれども、数式アレルギーが……。そんなビジネスパーソンは少なくありません。でも、大丈夫。日常よくあるシーンに統計分析の手法をあてはめてみることで、まずは統計的なモノの見方に触れるところから始めてください。モノの見方のバリエーションを増やすことは、モノゴトの本質を捉え、ビジネスのための発想や「ひらめき」をつかむ近道です。
マーケティングやPRの現場における統計学の有用性は言うまでもありません。問題は、そこで働く多くのビジネスパーソンが、いわゆる“典型的な文系人間”であること。そこで、マーケティングには欠かせない「似たもの同士」を見つける手法から見てみましょう。

統計では、「似たもの同士」として分類されたグループのことを「クラスター」といい、類似度の強さによって似たもの同士のグループをつくる方法を「クラスター分析」と呼びます。

クラスター分析は、マーケティングや商品開発の現場では、おなじみの分析法で、消費者調査から新製品のターゲットイメージを導く場合などに使われます。

似たもの同士を分類、グループ化するクラスター分析の結果は、このような樹形図で表す。

クラスター分析(階層型クラスター分析)の結果は、図表1のように樹形図として表されます。こうすることで、製品のターゲットイメージやそれぞれのクラスターがもつ特性に対応した販促手法が検討できるようになります。

では、「似たもの同士であること」をどのように判定していくのでしょうか。

クラスター分析では、個体は似ているほど「距離が近い」という考え方をとります。距離が遠いほど数値は大きくなる(似ていない)ということです。このようにして、「距離=非類似度」を手がかりに分析していきます。

このとき、似たもの同士を判定するための距離をどう測るか。実はここが難しいところで、その計算式の説明は省略しますが、考え方は比較的シンプルです。