株高、円高是正、2020年東京五輪決定……。社会、経済ともに明るい光が差し込むなか、ビジネスマンの働き方、生き方はどうなるのか。プレジデント誌定期購読者へのアンケート調査を基に、進むべき道を3人の識者に聞いた。
調査概要/2013年11月に、プレジデント誌定期購読者に対してウェブによる調査を実施、2442人より回答を得た。

子どもの友人を知っているか

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アンケート回答者データ

配偶者に高く評価されていると答えている人は05年の約5割から2割強とガタ落ちである(図1)。回答者の9割が男性であることを考えると、妻からの評価が悪くなったと言っていい。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の石倉洋子氏は「自分は自信を持っていても妻からは評価されていないことはよくあるケース」と言う。

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図1 配偶者からの評価はガタ落ち/図2 地域との関わりは高齢ほど高い

「欧米では、家庭を大事にして家族ときちんと時間を過ごすビジネスマンが多い。だから子どもや子どもの友人のことを驚くほどよく知っています。でも、日本のサラリーマンは遊ぶのも会社の人で、家庭での存在感がありません」

ずっと会社人間だった人が老後に居場所がなくなるとはよく聞くが、年齢が上がると地域との関わりが高くなるようだ(図2)。慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授の高木晴夫氏は意識の問題ではなく「仕事が暇になってしまったから仕方なく」と読む。

「60代以上でも役職者は仕事で忙しいはずです。役職定年になった人がやることがなくて地域と関わるようになったのでは」

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図3 「子どもとのふれあい」は二極化

年配者に地域と関わる時間が生まれた一方で、子育て世代は子どもとのふれあいで二極化傾向が出ている(図3)。

「最近は週末に子どもと遊ぶ微笑ましいお父さんの姿も見かけるようになりましたが、会社にからめとられて仕事漬けにさせられてしまう人たちが多いのも現状です」(石倉氏)