“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

腰痛に悩む方は本当に多いですね。

昔の腰痛は前かがみでの農作業など腰に大きな負担をかける重労働が主な原因でした。しかし現代では、こうした動的な作業ではなく、椅子に座り続けて同じ姿勢を保つといった静的な作業が腰痛の原因となっています。

実は腰を動かさないとその部分の血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質が溜まりやすくなります。腰を動かし過ぎたためではなく、腰を動かさないことが腰痛の原因となるのです。

つまり、腰を動かし過ぎたために起こる腰痛の改善には休息が最も効果的なのですが、腰を動かさないことが原因の腰痛の退治・改善には、逆に腰の部分を動かす運動が効果的です。

では、どのような運動で腰を動かしたらいいでしょうか。

まずは歩きましょう。

実は歩行中は左右の足に体重が移動するたびに左右の腰の筋肉が収縮と弛緩を繰り返します。筋肉が収縮すると毛細血管が圧迫され、血管内の疲労物質が静脈に押し出されます。逆に筋肉が弛緩すると毛細血管が開き、そこに新しい血液が動脈から流れ込みます。

つまり歩くことは同時に、自分で腰の筋肉をマッサージしていることになるのです。