せっかく住宅を買うなら、資産価値が上がる町を選びたいもの。過去10年のデータと、今後の都市開発計画から、「これから値上がりする町」を予想する。

大阪都心部の再開発はまだ続く

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近畿ランキング

関西圏で圧倒的に値上がりする町は京都市である。京都府平均でもリセールバリューは98.0%と東京23区の99.9%に次ぐ数値で、京都市に限ってみると103.8%。数字だけで考えると、京都市ならどこに買っても、買いさえすれば値上がりすると言いたくなるほどだ。

この大きな理由は何といっても希少性。「高さその他、建築に関する制限が多く、物件が建てにくいため、そもそも数がない」(東京カンテイ・中山登志朗氏)。

また京都の場合、実需に加え、「観光のためのセカンドハウスとして、学生の子供のために買い、将来は老後の住まいにといった多様な活用法があるのが特徴。さらに最近では大阪、神戸などよりも地震に強い町として認識されているのも人気の要因でしょう」(コミュニティ・ラボ・田中和彦氏)

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京都以外で強いのはやはり、大阪市西区、神戸市中央区など各エリアの中心部。特に大阪市中心部ではここ数年、老朽化したオフィスビルが高層マンションに建て替えられるケースが増加。都心回帰の傾向が顕著に表れている。

たとえば、ランキングで大阪市トップの西区では2010年に行われた国勢調査速報値で対前回比人口増加率が14.5%に及んでおり、ランキング外ではあるが、府庁のある中央区では17.9%。隣接する北区、福島区でも同様に人口が増加している。

加えて大阪でも都心部ではJR大阪駅、梅田駅周辺を中心に大規模な再開発が続いてきた。

「梅田北ヤードの再開発はおおむね終了したものの、まだ商業施設もあり、また大坂を代表するメーンストリート御堂筋では、一部沿道の建物に課されている50メートルの高さ制限を、大阪府が200メートルまで緩和する方向で検討しているなど、都心部開発の計画は多く、目が離せません」(中山氏)