俳優、歌手 石丸幹二

1965年、愛媛県生まれ。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。90年、劇団四季入団。「オペラ座の怪人」のラウル役に抜擢され、舞台デビューをはたす。2007年に退団後、「エリザベート」「ジキル&ハイド」等に出演し、12年「第37回菊田一夫演劇賞」を受賞。また、ドラマ「白洲次郎」や「BS時代劇 酔いどれ小藤次」等の映像作品にも多数出演。13年7月からTBS系で放送された「半沢直樹」で大阪西支店“浅野支店長”を演じ、話題となる。14年2月「もっと泣いてよフラッパー」(シアターコクーン)、4~5月「レディ・ベス」(帝国劇場)の出演が決定している。


 

仕事柄、どうしても外食が多くなってしまうんですが、外ではいろいろな食材をバランスよく摂るように心がけています。「リストランテAKI」はオーナーシェフの原田さんとうちのマネジャーが知り合いだったことから伺うようになったんですが、雰囲気のよさとシェフの気遣い、そして、料理が最高のマリアージュとなって、家庭にいるような温かさを演出してくれるんです。時にはシェフが釣った魚が出てきたり、その日の気候と合ったワインを出してくださったり、とても粋なんです。

好きな食べ物は、もういろいろです。過去にさかのぼると、25年ほど前にウィーンで初めてウィンナーシュニッツェルを食べたんですが、その味に感激しましてね。以来、僕の原点は“カツレツ”。どんなお店に行っても「フライのものはありますか?」って聞いてしまいます。年齢的に、揚げ物は控えようと心がけてはいますが、無性に食べたくなるときがあるんですよね。

お酒もそこそこ飲みますよ。食事と一緒に楽しみながら、そのときのブームになっているものについて語り合ったりしています。今のブームですか? 土下座です(笑)。「笑っていいとも!」に出演したとき、会場に「土下座をさせたことがある人」が100人中20人もいて驚きました。頭を地面にこすりつけて謝罪するのは一つの文化でもありますが、できれば避けたいもの。僕自身はドラマでやりましたけどね(笑)。

「半沢直樹」のおかげで、最近ではバラエティー番組にも出演するようになりました。僕の演じた浅野支店長というのはツラい役どころだったので複雑な気持ちですが、「本当の僕は違うんですよ」ということをバラエティーでは打ち出すようにしています。

ドラマでは復讐される側でしたが、この冬は「モンテ・クリスト伯」というミュージカルで、復讐に燃える男を演じます。大人のキャストが集まっているので、より深みのあるものになるんじゃないでしょうか。原作の『巌窟王』は100年以上も読み継がれている作品ですし、それに見合う演技をして歌を歌って、作品を後世に残したいですね。「モンテ・クリスト伯」の公演は終了しました。

劇団四季を退団し、5年前から“第2章”として仕事のスタイルを変えて歩み始めました。今の自分にできるものを選りすぐって表現していくことと、同時に歌手活動も始めたので、“石丸幹二が石丸幹二として歌う”ことをより深めていきたいと思っています。また、映像の仕事も増えてきたので、ミュージカルで演じるカタカナの名前ではない、リアルな役どころへの挑戦もしていきたい。この3つの柱で邁進していきたいと思っているので、ぜひ見守ってください。