<strong>寺坂史明 サッポロビール社長</strong>●1949年4月12日生まれ。宮崎県出身。72年慶應義塾大学法学部卒、同年サッポロビール(現サッポロホールディングス)入社。現サッポロビール九州本部長、マーケティング本部長など歴任。2009年、専務執行役員に就任、10年3月から現職。主に営業、企画部門を歩み、宣伝部ではテレビCMの企画も手がけた。
寺坂史明 サッポロビール社長●1949年4月12日生まれ。宮崎県出身。72年慶應義塾大学法学部卒、同年サッポロビール(現サッポロホールディングス)入社。現サッポロビール九州本部長、マーケティング本部長など歴任。2009年、専務執行役員に就任、10年3月から現職。主に営業、企画部門を歩み、宣伝部ではテレビCMの企画も手がけた。

「満足ではなく、感動を」

寺坂史明社長は言う。

3位と4位の立ち居振る舞いは似てくるものなのだろうか。サッポロの戦略もサントリーのそれに似ている。

ビールといえばヱビス、というコアファンを持つプレミアムビールのヱビスと、「ビールと間違いちゃいました」のCMでお馴染みの第三のビール麦とホップ。この2ブランドに力を注ぐ。

「当社の強みは、最高価格帯と最低価格帯に強力なブランドを持っていること。全体のシェアを上げることも大事ですが、まずはその2つの価格帯の中でトップを目指そうよ、ということです」

ただし、よく言われるような「お客さまの満足度を上げる」という姿勢に止まっていてはいけない。

「サッポロのビールを好んでくださるお客さまは、それなりに満足してくださっています。しかし、10人のうち2人がファンだとして、その2人を喜ばせることだけでは成長できません。飛躍するためには、より強い思いがないと。満足ではなく感動するような商品開発をしなければいけない。お客さまの感動こそが、社員の喜びであり幸せです」

商品開発も営業も内勤部門も、皆で情熱を持って考えて編隊を組んで戦う。誰かが考えればいい、というのではダメ。客や得意先から真っ先に思い出してもらえるビールメーカーになる。その意思統一のために、就任挨拶も兼ねて寺坂は全国を飛び回った。昨年8カ月で、社員との会合を150回も重ねた。

正直、しんどかった。そう寺坂は振り返る。

「現状の問題点などを挙げ、厳しいことも指摘しなくてはいけない。クタクタになって頑張っているのに結果が出ないのはなぜだろう。そんな営業マンの本音も返ってくる。自分自身が徹底しきれてないことだって、トップとしては言わなければいけない。社員の本音を浴びるうちに精神的に参ってしまって、血尿が9日間出ましてね。でもそこまでやって、見えてくることがある。やっぱり社員は頭を使って一所懸命に考えることですよ」