私大文系出身、理系アレルギー男に業務命令!「1ヵ月で数字センスを身につけよ」――。数字、データ、グラフが使えないプレジデント編集部員がビジネスマン向けの数学講座に放り込まれた。数学を避け続けてきたツケが今、回ってきた!

数学には昔からろくな思い出がない。なかでも最悪だったのは高校受験の失敗だ。数学の点数が悪かったために第1志望校と第2志望校を同時にすべる、という悪夢は今でも忘れがたい。だから、高校に入学してからは徹底して数学を避けてきた。二度とすべりたくないという思いから大学受験は私大文系を選択し、社会人になってからも編集者という数学とは縁遠い仕事人生を歩いてきた。

ところが恐ろしいことに最近、風向きが変わりつつある。姉妹誌「プレジデントファミリー」から「プレジデント」へ異動してきて、数字やデータ、グラフ作成を取り扱う機会が増えたのである。

「内林君、このアンケート結果の分析とグラフ化をお願い!」

そんな指示をデスクから出されることが多くなったが、数学なんてずっと避けてきたのだからできるわけがない。

「数字を羅列しただけでは分析にならないでしょ!」

「何、このグラフ。ポイントがちゃんと表現されていないじゃない!」

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ビジネス数学に必要な「5つの力」

さんざん時間をかけ、四苦八苦しながら、そんなふうに怒られることが増えてしまった。当初は「僕にこんな仕事をやらせるほうが間違っている」と密かに開き直っていたのだが、ふと周囲を見渡すと、同じ年に同じ大学、同じ学部を卒業した同僚はアンケート分析や図表化をとても上手に、かつ要領よく作成していた。これは負けるわけにはいかない……。

手っ取り早く数学力を上げる方法はないだろうか――。そこで見つけたのが「ビジネス数学入門講座」だ。この講座はコンサルティングや人材教育、研修などを手がけているインディゴブルーが主催する日本数学検定協会の認定講座。講座は毎月開催されていて、毎週1回ずつの講義を全4回行う構成になっている。内容は、ビジネスの現場で必要とされる「5つのビジネス数学力」の基本を身につけ、実際のシチュエーションに合わせた数字の扱い方を学ぶ点に特徴がある。5つのビジネス数学力とは「把握力」「分析力」「選択力」「予測力」「表現力」だという(図参照)。

数学そのものより、仕事で使える数学を学びたい僕にとっては、渡りに舟。この講座を受講してみることにした。