とてつもない報酬を得る人には、いくつかの共通する特徴がある。それらについては、これまでの著書をはじめ、さまざまなところで語ってきた。

自分の強みを知っているということも、そのひとつだ。しかも、とてつもなく稼ぐ人は、自分の強みをわかっているだけでなく、強みを生かす方法も心得ている。

だが、私の持論では、自分で強みを見つけることは、基本的には不可能だ。

なぜなら、あなたの強みにお金を払ってくれるのは、他人であり社会だからだ。

自分では強みのつもりでいても、それを人が認めていないのでは、ほんとうの強みとはいえない。評価するのは人なのだから、人に直接聞くのがいちばんだ。

私が自分の強みを発見したのも、人からのアドバイスがあったからだ。

私は、熊本の大学を卒業して、国内大手の損害保険会社に入社した。その会社で本社採用の社員として10年ほど勤め、転職した生命保険会社でも4年ほどサラリーマンを経験したのちに、独立して株式会社オフィシャルを立ち上げた。

独立した最初の年の売上は4000万円。売るのが保険なので、売上のほとんどが粗利ということもあるが、それにしても悪くない。

じつは会社を立ち上げてからの1年間、私は保険に入ってくれそうな人すべてをターゲットに営業をかけていた。そうしないと、妻とふたりの娘を食わせていけないと思い、必死だったのだ。そのおかげもあって、4000万という売上を達成できたわけだ。

一方で、お客さまの数が増えすぎて、アフターフォローに手が回らないという状態も起きていた。お客さまの側からすれば、契約はしたものの十分なフォローがしてもらえないという状態だ。不満の声も聞こえるようになった。

それでも、1年目からこのくらいの額を稼げるのであれば、もう満足だ。独立して最初の年を乗り切ったことで、早くも私の気は緩みはじめていた。

実際、そのままであれば、そのあと初年度の売上を超えるのは難しかっただろう。ところが翌年には、売上が1億の大台に乗った。