時間が足りないと嘆く経営者は多い。そうした会社では社員も時間に追われている。なぜ時間が足りなくなってしまうのか? 経営者は時間とどのように向き合うべきなのか? 会社を強くする時間の仕組みとは? 経営者の視点から時間術を語り、経営者のみならず一般社員からも多くの支持を得ているのが『絶対に会社を潰さない 社長の時間術』(小山昇著)だ。経営のカリスマとして全国の社長から厚く支持される小山氏が時間の使い方について語った。

社長が経営を考えるうえで、大切にすべき時間の区切りが5年です。

経営者は会社の将来を、半年後、1年後、5年後といった一定の単位で考えますが、長期的な経営計画というと、どのくらいの単位が最適なのでしょうか。中小企業は、「5年」で考えるのがいいでしょう。経営サポート企業を集めて行う実践経営塾の「経営計画作成合宿」で、参加される社長に、「5年後に売り上げを2倍にするための長期経営計画」を立ててもらいます。

なぜ「5年で売り上げ2倍」なのでしょうか。5年で売り上げを2倍にするには5年連続で毎年15%ずつ売り上げを伸ばす必要があります。これは、かなりハードルの高い目標です。たいていの社長は「うーん」と唸ってしまいます。今と同じように商売をしていれば、この目標に到達するでしょうか。もちろん無理です。では、今やっている仕事をさらに一生懸命やれば達成できる数字でしょうか。それも難しいでしょう。今のままの仕事のやり方では、どんなに頑張ってもせいぜい5%程度しか売り上げは伸びない。それではどうすればいいのか? 「新しいことを始める」しかない、と気づくはずです。

新しいこと、とは必ずしも新規事業に限るわけではありません。ITを活用して事業や社内のムダを徹底的に省くとか、儲けが出ていない部門を思い切って捨てるとか、それも新しいことと言えます。有望な事業があれば、それを実行する。ここまで考えると、今の自分の会社で何ができるのか、社長なら色々なアイデアが浮かんでくる。