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アンケート回答者データ

東日本大震災と原発事故。2011年を語るときに、この2つの出来事を外すことはできないだろう。震災と原発事故の影響は、物理的なものに留まらない。日常が脆くも崩れ去っていく様子を目の当たりにして、自分の働き方や生き方を問い直した人も多かったはずだ。

激動の1年を経て、ビジネスマンの仕事や人生観はどう変わったのか。それを探るため、プレジデント誌読者1126人を対象にアンケート調査を実施した。回答者の平均年齢は45.8歳、平均年収は883万円。課長職以上が50.8%で、一般的な意識調査と比較すると、年収は高めでマネジメント層が多い。それを押さえたうえで調査結果を分析していこう。

年収減のしわ寄せが管理職と経営層に

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図1 お金・学歴に不満を持っている人が多い

自分の人生において不満な点は何か。結果を見ると、上位には「お金」「学歴」「出世」「地位・名誉」といった項目が並んだ。「恋愛」や「友人」「結婚」などプライベートに関する不満は少ないが、一方で社会人として満たされていない思いが強いようだ(図1)。

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読者が選ぶパーソン・オブ・ザ・イヤー(PANA=写真)

「不満の根っこは同じ。すべてポスト不足に起因しています」と解説するのは、人事コンサルタントの城繁幸氏だ。

「いま働き盛りのバブル世代は、はしごを外された世代です。彼らは上の世代と同じように出世できると思って真面目に働いてきましたが、いざ40代になるとポストがなく、7割はいまだに平社員のままです。日本企業の多くは職能給なので、出世できなければ年収も上がりません。また、出世できない原因を学歴に求める人も多い。回答は割れていますが、これはポスト不足に対する不満がさまざまな形で表出したと見るべきでしょう」