ビジネスをめぐる状況が刻々と変わるいま、我々には、どのような課題や能力が求められているのか。今回、アンケートの調査結果をもとに、ライフネット生命副社長・岩瀬大輔氏がアンケート結果を分析。8つの力に収斂させた。データと実践のためのヒントをお届けしよう。
【調査概要】gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「学びの習慣」に関するアンケートを行った。2011年7月22日から26日まで実施し、ビジネスパーソン665人の回答を得た。

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【8つの力】7.物語力

人が成長するうえで1番大事なのが、長期的なビジョンや、ミッションのようなものを持っているかどうかだと思う。人生の目的やミッションの有無が、仕事のパフォーマンスにどう影響するのかを見てみたい。

人生の目的やミッションを持っている」人が1500万円以上では29.4%、500万円台では6.6%となり、およそ4.5倍の差が出た。年収1500万円以上の3人に1人は長期的なビジョンを持っており、それが500万円台との歴然とした違いとなって表れている。

だからといって、1500万円以上の人が崇高な目的やミッションを持っているとは思わない。自分の将来のことなど明確にわかるはずはない。

極端な言い方をすれば、目的もミッションも、時間の経過とともに変化する「フィクション」でいいと思う。10年後の目的やミッションが、現在の自分が考えたことと同じだったら、むしろそのほうが残念だ。

変わっていくことを前提に、この瞬間において自分は何のために仕事をしているのか、社会にどのような付加価値を残したいのかをフィクション=物語として持っていることが大切なのだと思う。これが、これからのビジネスアスリートに必要な「物語力」である。

物語を持っていれば、人に語ることで周りの人を巻き込むこともできるし、自分が辛いときに踏ん張ったり、自分を奮い立たせるための拠り所にもなる。

自分の拠り所となる物語を持っているかどうかは、1500万円以上と500万円台のパフォーマンスの差となって表れていると思う。ミッションだとかビジョンだとか大袈裟に考えず、将来の自分として、ありたい姿を自由に物語ってみてはどうだろう。