そこで情報強者を目指さなくても、情報弱者にならない工夫をすればいい。中村氏は3つの方法をあげている。

(1)プロに頼る

誰もが情報の発信者になったことで多様化と同時に情報の洪水が起こっている。呑み込まれないためには、マスメディアや政府関係機関のように情報を集めスクリーニングして発信する「情報のプロ」にアンテナを向ける。自分が信用している有識者でもいい。

(2)あえて絞る

自分が本当に欲しい情報、関心のある情報に限定してアンテナを張る。いろいろ追いかけると情報が雪崩れ込んで不安になるので、自分でまずきっちりしたフィルターを持ってみる。

(3)気にしない

損得で考えると情報強者になると得することがあるが、情報強者にならなくてもそれほど損することはない。損をしなければいいと構えて、今の段階では強者弱者であることをあえて気にしない。

中村氏自身はツイッターでは、マスメディアや官庁のような公的な発信源や信頼できる有識者を含め500人ほどをフォローしているという。その中には国内外で流れた情報をフィルタリングして再び流すキュレーターの役割を果たすジャーナリスト・佐々木俊尚さんのような人も含まれている。人選の方法は「新聞や雑誌の記事などを読んで、この人は信頼できるという人を探すところから始める」という。プロの編集者のフィルターがかかっているという信頼感があるからだ。

それだけの人数がいると、例えば原発情報では原発推進の立場の発言もあれば脱原発、反原発の発言もある。偏った情報に踊らされないためにさまざまな立場の意見を「偏らずに全部見られるように心掛けている」という。ただ「あまりにもフォロー人数が多いと同じ内容の情報で画面が埋まってしまうので、フォローする情報源を時々絞り込んだり入れ替えています」。

このような方法でまずは脱情報弱者を目指そう。