おおよその目安は上場企業か、非上場でも一般の人になじみがある会社であれば、名前とともに会社名が付記されて報道されると考えたほうがよい。それだけ社会的責任が重いということだ。

「容疑者の社内のポジションによっても違うし、詐欺や横領であれば金額によっても違ってきます。部長クラス以上だと紙面に載りますが、課長も覚悟すべきでしょう。横領だと100万円ではセーフでも、1000万円以上はアウトです」(前出社会部記者)

ところで、不祥事やスキャンダルを新聞と違ったスタンスで掘り下げて取材し、記事にする週刊誌は、どういう視点から報道するのだろうか。総合週刊誌の元編集長がこう打ち明ける。

「犯罪に限らず不倫などスキャンダルを記事にする場合、政治家や公務員はもちろん、上場企業の部長職以上かどうかが、大きな判断材料になる。公共の電波であるテレビに、コメンテーターなどで出演している人もターゲットになる。その会社で有名な人物、例えば技術開発で名が知られていたり、ある分野をがんがん伸ばしたことで、マスコミによく登場するような人物も対象になります。名前を出しても誰も知らない企業の社員は、よほど異様な事件でなければ載せません」

ところで、警察沙汰になって身柄拘束された後、結局起訴されなかったという結末については、かなり大きな事件でない限り、マスコミは報道してくれない。つまり名誉回復の機会はほとんどないと考えたほうがよい。

いずれにしても微罪とはいえ、事件を起こせば、行き着く先は信用失墜だ。最悪の場合、懲戒解雇といった制裁を受ける。「ほんのでき心でした」では済まない、人生の窮地に立たされることを肝に銘じておくべきだろう。

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