ライブドア株は年末にすべて売却。翌06年1月の「ライブドアショック」と新興市場の低迷を間一髪かわしたという。
「任天堂や三菱UFJFG、三菱重工、キヤノンなど“王道”14銘柄をウオッチしてました。業界全体がよくなるときには業界1位の銘柄が牽引するし、悪くなっても回復するのが1番早いと思ったからです。売買は年に2~3回しかしませんでした。あれが得した、これが損した、などと考えるのは面倒なので、4000万~5000万円分を1度に買って、2~3カ月後に全部売る。それで2000万円儲かったこともあります」
1人息子はすでに独立し、4800万円で購入した自宅もローン完済。タイに不動産・コンドミニアムを持つ。今はタイ、ラオス、イラクといった国々の株式や外貨預金、豪ドルのFXが投資先だ。
「投資信託も05年頃から始めて、現在1000万円くらい。外貨預金は3000万円以上かな。タイバーツだけでなく米ドル、香港ドル、人民元、あとイラクに口座を開いてイラクディナール。ラオスのラオスキップもやっています。現在、カンボジアのリエルへの投資を検討中」
そんな室井氏が今から1億円を目指すとしたら、どんな手法を考えるだろうか。
「40歳の人が60歳までに1億円貯めるとすると、年に500万円貯金する計算。それは難しいから1億円にこだわらず、自分で海外旅行に行くような好きな国に分散して口座を開いて、そこで外貨預金をやるのが1番いいと思います。ただ、口座は、総資産額が国内1、2位の銀行にしないと危ない」
日本株に対しても、決して悲観はしていない。
「日本企業じたいの潜在力や業績は意外と悪くないと思います。あくまで“意外と”ですが」
11年3月の東日本大震災の影響がいわれるが、「そうではない。震災の1年前からこんな状態だった」と室井氏は強調した。
「各社とも内部留保が相当あるはず。新興企業はともかく、一流企業はあまりホラも吹かず控えめ。この景気でいい、いいと表立って言えないのでは」