さらに、月々3000円の掛け捨て型医療保険にも加入することにした。独身のためまだ死亡保障は必要ないが、医療保障はあったほうがいい。若くて健康なうちは保険料が割安なので、お守りと考えて入っておく。「いま」を安心して過ごすための拠りどころになれば、これもまた「自己投資」といえる。
これで大幅に支出のバランスが改善できた。20代は収入も多くないため大幅に月々の収支を変えることは難しい。メンタルやお金の使い方を改善することで、将来の危険度を下げたい。
Aさんはその後、家計簿をつけることが習慣となり、「こんなところはもっと節約できるのではないか」と熱心に頑張っている。今後、結婚をして子どもが生まれても全く問題はない家庭生活が送れるはずだ。
世代別「老後破滅」ウイルス&処方箋
●「スキルアップ」過敏症
【症状】頼れるのは自分だけという報道や周囲の雰囲気に過敏に反応し、将来への不安菌が体内で増殖。手当たり次第に勉強を始める。高額なセミナーや英会話教室でも「将来への投資だからOK。無駄遣いじゃないよ」とウイルスにささやかれて参加する。
【処方箋】お金をかければ能力は上がるものではない。本を活用すれば自習は可能だし、セミナーも参加無料のものやネットで視聴できるものもある。賢く探してメリハリをつけることで快方に向かう。
●「ツナガリ」依存症
【症状】携帯がないと落ち着かず、フェイスブックやツイッターを見れば心が安らぐという症状が見られる。幼い頃から携帯を使っていて中毒性も高い。仲間とつながるため、情報収集といっては料金度外視で最先端機器に手を出す。
【処方箋】「大は小を兼ねる」とばかりに、不要なものにお金を使っていないか。まずはネット依存度を客観視することから始めよう。
横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5300人以上の家計を再生した実績を持つ。