「小児科医になりたい」は弱い…「口先だけ」の志望動機はダメ

近年の2次試験の面接での頻出質問項目にはこんなものもある。

「将来、医師になって何をやりたいですか?」

こちらも定番中の定番だが、ある受験生が「小児科医になりたいです」と答えたとする。当然、その理由を聞かれるわけだが、「少子化の中、子供を健やかに育てる手伝いを……」「子供が好きなので……」程度の回答しかできないと、「とりあえず医師になりたいだけの人」という印象を面接官に与えてしまうことになる。

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「子供が好きなのはいいことですが、それなら将来の進路は保育士や小学校の教員にしてもいいわけです。小児科医は、大人の病気のように診療科が細かく分かれておらず、ほぼ全身の病気を診る大変な仕事です。子供への病状の説明にも技術が必要です。将来は小児科医にと答えるなら、現代はインターネットもあるのですから、事前に小児科医の現実を調べて情報武装するべきでしょう。グンと説得力が増します」

類似した一見よさそうに見える発言に「医師になったら研究に没頭したいと思っています」もある。表面上は何の問題もないが、興味のある研究内容が具体的に言えないと逆効果かもしれない。

「面接官はきっと、『研究を受け持つ医師の仕事がどれくらい地味で忍耐強さを求められるか、何もわかっていない』と心の中で苦笑いしているでしょう。画期的な発見をするヒーロー(ヒロイン)研究者への憧れを抱くのはいいのですが、発言が稚拙だと残念な結果を招いてしまいます」