部下は「自分の所有物」ではない

ここで少し距離を取って、俯瞰的にイメージしてみてください。

例えば、あなた直属のチームではなく、隣のチームで次のような事態が起きているとします。マネジャーとメンバーの人間関係がギクシャクして、マネジャーはいつもイライラして部下を無能扱いしています。メンバーも明らかにマネジャーを嫌っているのが伝わってくるとします。

きっと、対岸の火事のように「まぁ大変だよね。でも、そういうプロセスがあるから人って成長するよね、もっと部下の話を聞いてみたら?」と優しく考えられるのではないでしょうか?

対岸の火事だと優しくできるのに、自分に火の粉がかかるとイライラしてしまう原因はマネジャー個人の正しさや思い込みであり、それを押しつけてしまう理由はマネジャーがメンバーを「自分の所有物」だと考えているからかもしれません。

橋本拓也『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)

最初にはっきり言います、この考え方は危険です。

メンバーが成果を出せなかったり態度が良くないのは、すべてマネジャーのマネジメントの質の結果と考えるようにしましょう。メンバー自身がマネジャーからもっと学びたいと思えていないのです。

もしもメンバーのパフォーマンスが低いのであれば、それはマネジャーの責任だと考えるようにしましょう。プレイヤーとしては優秀でも、マネジャーとしてはその優秀さを発揮できていないのです。

「チームで起こるあらゆる現象は、マネジャーの心の投影」と認識しましょう。

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