打球を飛ばす能力を持つ日本ハムの3選手

「牧秀悟(DeNA)は面白いと思いますよ。速い直球への対応力が高いし、変化球もうまくさばくので穴がない。問題は守備位置ですかね。メジャーだと二塁は厳しい。一塁になりますね。今後の伸びしろで言えば、日本ハムの万波中正、清宮幸太郎、水谷瞬です。現時点ではまだまだ未完成ですが、打球を遠くへ飛ばす能力は3人そろって凄い。大化けする可能性を秘めているので楽しみです」(前出のメジャーリーガー代理人)

2年連続最下位から今年2位に躍進した日本ハムにはイキのいい若手が多い。その代表格が上記の3人だ。万波は打率.252、18本塁打、60打点をマーク。外野でも球界トップクラスの強肩を誇り、2年連続ゴールデングラブ賞を受賞した。ただ、能力の高さを考えればまだまだ物足りない数字だろう。好不調の波が激しく、確実性を磨く必要がある。

清宮は故障で出遅れたため89試合出場にとどまったが、打率.300、15本塁打、51打点と課題のミート能力が格段に上がった。プレミア12で侍ジャパンにも追加招集されている。

昨オフに現役ドラフトでソフトバンクから日本ハムに移籍した水谷は、人生が劇的に変わった。ソフトバンクに在籍した5年間は1軍出場がなかったが、今年は交流戦で史上最高打率.438をマークするなど、97試合出場で打率.287、9本塁打、39打点。パワーとスピードを兼ね備えたプレースタイルは華があり、課題だった外野守備も成長を見せている。6月2日のDeNA戦でプロ初アーチを放った際には、新庄剛志監督が「この子を何年後かにメジャーに行かせる指導をして行きます」と自身のインスタグラムで水谷の才能を絶賛した。

メジャーが注目するハイレベルな投手陣と対峙するのだから、日本の野手のレベルは決して低いわけではない。金の卵たちの覚醒を、メジャー球団のスカウトたちは注視し続けている。

(今川秀悟)

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