理由と主張のつながりはこれでチェックできる

ビジネスシーンでありがちなのは、商品紹介における「みなさんに選ばれていますから、いかがですか」という売り文句です。

これも、「みなさんに選ばれている」→「多くの支持が得られていて安心」→「購入して後悔する可能性は低い」という本来の理由が隠れてしまっています。

理由と主張は、相互にどちらから見てもつながる形で伝える必要があります。

「AであるのはBだから」(主張→理由)
例:温泉に行きたいのは、身体を温めて疲れを取りたいから

「BだからAである」(理由→主張)
例:身体を温めて疲れを取りたいから、温泉に行きたい

このように、理由を考えるときは、主張と理由のどちらから考えても意味が分かるような状態になっているかチェックしましょう。

「権威性」「数字」「比較」で説得力を高める

「理由」を伝えた後は、「事例」で補足をすると効果的です。

事例がなければ、せっかく伝えた理由も机上の空論のように感じられます。

例えば、営業シーンで、

「ウチのシステムを導入したほかのクライアントさまにも、ご満足いただいております」

とだけ伝えても、あまり信ぴょう性がありません。

この場合、伝え方を変えて、

「ウチのシステムを導入したクライアントさまには、大手メーカーのA社さんや、B社さんがおりまして、導入初月から外注費用が30%削減できたと喜んでいただいております」

というように、具体例を交えながら説明すると、説得力が増します。

事例を作るポイントは、「権威性」や「数字」「比較」の要素を入れることです。

石田一洋『あなたの話はきちんと伝わっていますか?』(総合法令出版)

この例の場合は、30%削減という「数字」、大手メーカーという「権威性」の要素を使っています。ほかにも「以前使われていたA社のシステムよりも」など、「比較」の要素を入れてもよいでしょう。

理由は、主張を支える土台です。

事例は、その土台を強固にする柱のような存在です。

これらが抜け落ちると、その説明全体が説得力を欠く話になってしまいます。

必ず意識して伝えるようにしましょう。

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