過疎地の学校では限られた期間だけの派遣になることもあるが、全校児童300人規模の高敞南小なら、常時、英語専門の先生がいて、ネイティブスピーカーがサポートするのが一般的だ。
まず梁先生が、その日の授業の大まかな内容、理解すべき表現などを児童に説明する。できるだけ英語のみで授業を進めたいと先生は考えているが、この部分では韓国語が用いられることが多い。
その後、授業の主導権はエリス先生に渡される。そこからの進行はすべて英語。韓国語で発言する児童がいると、エリス先生から、強く「No! English!」と注意される。
小3からこのような授業を受けてきた彼らには、とくに難しいこともないようだが、もし児童が理解できていない様子が見えると、梁先生が韓国語でフォローする。韓国人教師とネイティブ教師、お互いの長所を生かした英語授業が行われていた。
あっという間の40分レッスン
授業ではリスニングとスピーキングを重要視している。この日、習っていたのは「Would you like some ○○?(○○はいかがですか?)」というフレーズだった。まずはエリス先生の発音をそのままリピート。そして、隣の児童とロールプレーイング。2人の教師は子供たちの間を回っていきながら、子供たちの発音や文法をチェック。あっという間の40分だ。
梁先生とエリス先生のコンビによる6年生の授業を覗くと、もっとレベルが高かった。教材はシェル・シルヴァスタインの絵本『おおきな木』。まずはコンピュータ教材の音声に従って子供たちがテキストを読む。発音がおかしいと、エリス先生が注意する。そして、本文に出てきた英単語、always・become・poorなどをホワイトボードに書き出し、その意味を聞いていく。