トランプは「カリスマ」ではなく「ショーマン」
そして、最後の2つのカギは候補者のカリスマ性に関するものだ。まず、「政権与党の候補者にカリスマ性あり」という12番目のカギは「真実でない」。ハリス副大統領にカリスマ性はない、というのが教授の分析だ。バイデン大統領も同様である。
一方、「対抗馬にカリスマ性なし」という13番目のカギは「真実」だ。トランプ前大統領を「神」だと考える支持者もいるが、リクトマン教授の定義によれば、トランプ氏にカリスマ性はない。「カリスマ性」のある人物とは、党派の垣根を超えて支持され、一世代に1人出るかどうかの国民的英雄でなければならない。幅広い層の有権者にインスピレーションを与えるような候補者だ。
「トランプ前大統領は偉大な『ショーマン』だが、支持者層が限られている。どう考えても、カギの基準を満たしていない」と、教授は言い切る。トランプ前大統領の任期中の平均支持率は41%だった。歴代大統領のなかで最も低い支持率の範疇に入る。
トランプ氏は、最終的な選挙人票では勝った2016年の大統領選でさえ、一般投票ではクリントン氏に大きく水をあけられている。リクトマン教授は、カリスマ性のある人物としてレーガン元大統領やフランクリン・ルーズベルト元大統領を挙げるが、彼らは選挙という選挙で勝利を収め、何度も圧勝している。
以上がリクトマン教授の分析だ。共和党予備選で圧倒的な強さを見せたトランプ前大統領だが、教授の見立てでは、またしても本選で敗れる可能性が高い。はたして、2024年も、「ノストラダムスの予測」に勝利の女神はほほえむか。