TPP交渉で評価された茂木氏

一方、茂木は林とは違いたたき上げの政治家である。外務大臣など重要閣僚を歴任し、TPP交渉をまとめ上げるなど、その能力はピカイチである。

しかし、今回の出馬に当たって、政策活動費廃止や増税ゼロといった政策を唐突に言い出したことが批判の対象になっている。

加藤は、加藤六月元農水相の女婿である。厚労大臣や官房長官、また党総務会長などを歴任し、政策通として知られる。総裁選出馬に当たって「所得倍増」を唱えたが、どのようにして実現するのかは不透明だ。

優秀すぎて国民と距離感がある

この三者に共通するのは、いずれも国民の人気がないことだ。ある意味で優秀すぎるせいか、国民との間に距離感があるのだろう。

華がなく、カリスマ性に欠ける点も共通している。カリスマ性はある意味マスメディアが作り出すものだが、記者たちもこの3人からは小馬鹿にされてしまうせいか、彼らを持ち上げる記事を書いたり、番組を制作したりはしてくれないのだ。

党内でも、彼らのために汗をかこうという議員は少ない。とくに茂木は、「瞬間湯沸かし器」というあだ名があるように短気なため、人が寄りつかない。

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「瞬間湯沸かし器」というあだ名がある(※写真はイメージです)