次の総理によっては「愛子天皇」が実現する?
有識者会議の報告書は、森暢平成城大教授が『サンデー毎日』(9月1日号)で書いているように、「問題を『皇位継承者』の確保から『皇族数の確保』へとすり替えたうえ、女性には、皇位継承権を持つ男性の活動を補佐する役割しか与えない」というものではある。
だが、秋篠宮さまが“辞退”する意向を表明し、秋篠宮さまの長男の悠仁さまはまだ17歳。天皇の長女・愛子さまを天皇にするのかどうかは喫緊の課題であり、総裁選でも避けて通れない重要なテーマであるはずだ。
また、今回総裁選に立候補している中に、「女性天皇」を認めてもいいという候補者が複数いるので、その人物が総裁、総理になれば、「愛子天皇」が実現するのではないかと、『女性セブン』(9月5日号)が報じている。
その一人は石破氏で、8月4日のインターネット番組でも、「女系天皇は選択肢から外すべきではない」と踏み込んだ発言をしていたという。
河野氏も過去に、「女系天皇も検討するべき」と語っていた。小泉氏は表立って発言はしていないが、父親の純一郎氏は総理時代の2005年11月、私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が出した女性・女系天皇を容認する報告書を公表している。この時は、秋篠宮妃紀子さまに男の子(悠仁さま)が生まれ立ち消えになってしまったが、息子が父親の思いを実現するという可能性はあるかもしれない。
「選挙に勝てる総裁選」では国民をバカにしている
どちらにしても、メディアはこの重要課題についてどう考えているのか、各候補に突っ込んだ質問をするべきであろう。
最後に、岸田政権を支え最重要人物だった森山裕自民党総務会長が『サンデー毎日』(9月1日号)で、総裁選について語っている言葉を紹介してこの稿をしめたい。
「自民党には重要閣僚や党三役を務めてから総裁選に挑むべきだという歴史的教えがあり、そこは大事にした方がいい。もう一つ気付くべきは、総裁選を賑やかしくやって、衆院選につなげる、という発想があるが、これは主権者を馬鹿にした話だ。やはり、この人は総理総裁に相応しいという人を立てないとダメだ。そういう政党としての落ち着きが、これからの自民党としては大事だと思う」
まさに今回の総裁選はメディアが挙って取り上げ、お祭り騒ぎである。これで派閥の裏金問題も旧統一教会問題も防衛費のGDP比2%問題も、すべて禊が済んだとしたいのだろうが、森山氏のいうように、これほど国民をバカにした話はない。
有権者は、少しでもこの国をよくすることができる人物が総裁に選ばれるよう、冷静な目で“監視”することを怠ってはいけない。