もっともっと本気で運動に取り組む

自分に正直になれば、あなたには運動が必要だという研究結果が決定的であると認めざるを得ないはずだ。あなたはもっともっと運動する必要がある。認知機能を重視するならなおさらだ。

運動は、BDNF(脳由来神経栄養因子)の産生を増やす。BDNFが海馬などの領域でニューロン(神経細胞)の新生を促すので、脳の可塑性が高まり、学習が速くなり、記憶力が上がり、脳の全体的な機能が向上する。

運動は学習能力を向上させる、というとても大きなポイントを、あまりにも多くの人が見逃している。運動はまた、ストレスを軽減する。ストレスは、BDNFと全体的な認知機能を低下させるので、運動は、そのストレスの多くを取り除いてくれる最善の方法なのだ。

運動はエネルギーを高めてくれるので、一般的なタスクをこなすスピードや効率も高まる。さらに、ワーキングメモリーも、気分も、注意力も向上し、頭の回転が速くなる。これらはすべて、パフォーマンス向上につながる。

したがって、仕事や生活で学習の速さが求められるなら、ストレスに対処し、頭が活発に働き、注意を払い、大事なことを記憶し、前向きな気分を保てなければならない。それには、もっと本気で運動に取り組む必要があるのだ。

身体・精神・感情すべての面のエネルギーを向上させる

世界に対する自分の貢献度を気にかけるなら、自分自身のケアが大切だ。だからといって、ルームランナーで死ぬほどがんばる必要はない。実は、前に挙げたほぼすべての効果が、軽度の運動で得られる。週に数回でいい。適切な運動メニューを再開すればいい。

たった6週間の運動でも、脳内のドーパミンの産生と受容が促進し、気分と認知機能が向上することが証明されている。運動はまた、ノルアドレナリンの分泌も促し、それによって、頭を使うタスクでのミスを減らすことができる。

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運動は、身体・精神・感情すべての面のエネルギーを向上させるということを覚えておこう。

2万人以上のハイパフォーマーを対象とした私たちの調査では、驚くべきことに、HPIスコアが上位5パーセントのハイパフォーマーは、週に3回以上運動をしている割合が、残りの95パーセントに比べて、40パーセント高かった。

人生の成功者に仲間入りしたいなら、明らかに、真剣に運動に取り組むべきときが来ている。

子どもがいる人は、その倍の本気度で臨むべきだ。子どもたちに健康的な習慣を受け継ぐことが不可欠だからである。運動能力が正常な子どもは、そうでない子に比べ、注意力が高い。運動は、IQと長期的な学業成績に明確な違いをもたらす。