疲労の悪循環から永遠に抜け出せない人の共通点

「3カ月経ったらまた健康や幸せに気を配るようにする。今はどうしても忙しいんだ」

これを言う人は、往々にして、疲労の悪循環から永遠に抜け出せない。3カ月というが、現実には、今までもこれからも、その人が休んで生き返った実感を得られるのは、何年も先になるだろう。

私も一時期、その状態に陥っていたが、日々――集中的な短期間も含めて――やっていることが積み重なり、抜け出せない悪習慣となるのだ。

「私はそういう体質だから」

私は、先天性の脊椎の異常を持っていたり、交通事故に遭ったりしたために体調が悪いという、生物学的/遺伝的要因説を唱えていた。だがそれは、説得力に乏しい。

たしかに、家族歴や特定の遺伝的要因が引き起こす病気はある。とりわけ、がんや、心疾患、糖尿病、自己免疫疾患、精神疾患などは、家族歴の影響が大きい。

ただ、健康状態は自分で変えられるという現実に気づくのに、インスタグラムのビフォー・アフター写真をたくさん見る必要はない。人間は、全般的、長期的健康をコントロールする、すごい力を持っているのだ。

日々の習慣や環境で、遺伝因子の発現が活性化されたり抑制されたりもする。また、運動不足があらゆる健康問題を引き起こす主要因の一つであることが、あらゆる研究分野で繰り返し証明されている。

最高の状態でいるために自分に問うべき質問

「○○している暇なんてない」

この言い訳を使いたくなる○○というのは、たいてい運動だとか、健康的な食事や食品・食材の買い物、瞑想などだ。だが私は、このどれもが、たいした時間を要さないことを知った。逆に、これらによって元気になり、生産性が上がることで、時間の元が取れることが多い。

運動や健康な食事に時間を費やすことによって、頭の回転がよくなり、注意が行き届くようになって、ひいては大事なことをもっとアウトプットできるようになるのだから、時間の損にはならない。

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今こんなことを申し上げたのは、こうした間違った考えに陥るのは、自分だけではないとわかっているからだ。不健康な選択を続ける言い訳として、他にどんなことを自分に言い聞かせているだろう? 嫌な質問だとは思うが、考えてみる価値はある。

そこで、今ここで、あなたの身体の健康状態を測定してみよう。あなたの身体の健康状態を10段階で評価してほしい。1を死にそうな状態、10を基本的にいつも身体がエネルギーと力に満ちている状態とする。さて、あなたのレベルはいくつだろう?

7以上でない人は、このセクションが本書の中で最も重要になるだろう。身体の健康にもっと気を配るだけで、精神的・感情的エネルギーが、即刻上がるはずだ。

心の状態や身体的エネルギーは、世界の見えかたを変える。気分が最悪のときは、物事が最悪に見え、最高のときは最高に見える。あなたには、最高の状態でいてほしい。