ちょっと前からYouTubeを始めたでしょ。これも私の中ではもちろん仕事であって、つまりは勝ち負けです。息子がね、オカンちょっとやってみようかって言うんで、ほなやろかって始めたんですけど、私の性格によう合ってました。観た人の数字がはっきり出るやないですか。ありがたいことに、勝ち負けがわかりやすい(笑)。

テレビ時代の申し子みたいに言われているけど、ネット時代でも勝ったるわって気になって、ものすごい数字を叩き出したことで、やったーって。せやねん、これが仕事やねんって思いましたね。

数字が出るってことは、あんたは間違ってないっていう一つの指標でもあるわけです。それはもう、そんなん聞いたらビールがうまい。ささいなことですけど、人生を楽しくしてくれるわけです。プハーッてビールを呑んで、あぁ、生きてるなぁってなる。

私は、趣味でパステル画を描くんですけど、描き終えた後のビールの味と仕事の後のビールの味って、全然違うんです。だって、趣味の果てには、仕事を超える感動がないことを知ってますからね。趣味はどこまでいっても趣味。仕事は何だかんだ言っても仕事です。その代わり、趣味で失敗してもたいしたことないですけど、仕事で失敗したらえらい落ち込みます。ヒリヒリした何かがないと、本当の意味で、人生は楽しくならないんでしょうね。

テレビが終わっても仕事はいくらでもある

最近、よう聞かれるのは「テレビってもう終わったんですか」ってこと。答えにくいですけどね。私は本当にいい時代にテレビに出させてもらいましたからね。最近のテレビがおもろないって嘆いているタレントさんもいるでしょ。私、こう思うんです。あんたはテレビに出たいんか、仕事がしたいんかって。仕事がしたいんやったら、道はいっぱいありますよって。私がYouTubeをやったように、タレントとしてできることはあるわけですよ。たとえテレビが終わっても、あんたが終わらなければそれでいい話やもんね。

結局、私の中で仕事は人生を楽しくするためのものではあるけれど、勝たないと楽しくならないから、大変ですわ。でも人生で一番、長続きするのが仕事なわけで、一日の中でも長い時間を費やすのが仕事。なぜ働くのかと問われたら、生きるためでもありますけど、日々の暮らしの満足感に直結するってことですからね。

だから主人を見て、時々思うんですよ。働くってことは、生きていく中で重要な意味があるんだなと。

そもそも、なぜ仕事をするのか迷ったらあかんのとちゃいますか。なんも考えずにやれるのが本当の意味で幸せな仕事かもしれませんよね。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年8月16日号)の一部を再編集したものです。

(構成=山本富士夫 撮影=倉科直弘)
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