「10倍に値上がり」も夢ではない?

中国経済は16年で24倍になったので、インドも16年で24倍になるとすれば、スズキもかなり成長するでしょう。スズキの商圏はインドだけではないので、24倍とまではいかないでしょうけれども、10倍くらいになるのは、まんざら夢でもないかもしれませんね。まさに「テンバーガー」(短期間に株価が10倍に値上がりした銘柄のこと)です。

もしそうなったとしたら、単純計算で240万円は2400万円になるので、2160万円もの利益が得られます。これに対する税額は、現行制度ではおよそ439万円にものぼりますが、「新NISA制度」を活用すればこれを非課税にできるのです。

しかも、これは「1年分」でしかありません。たとえば向こう5年にわたってこれを続けて、16年後にスズキの株価が10倍になったとすると、スズキ株の総資産額だけで軽く1億円を超えますし、節税額も軽く2000万円を超えます。

「成長株の長期保有」こそ新NISAの有効な使い方

これはもはや「オマケ」とはいえませんね。「新NISA制度」による非課税の240万円は「成長投資枠」という名前です。ですから、こういった「成長株」と見込まれる株を長期的に保有し続けて、たっぷりと非課税にしてもらうことこそが、「新NISA制度」を有効に活用するということなのだと思います。

より掘り下げて考えれば、「1年で1回転までが非課税」なのであれば、1年周期で高値で売って、安値で買い戻すことを繰り返すのが最も節税額(と利益額)が大きくなるのです。しかし、そういうことを上手くやってのけるのは上級者でもなかなか難しいので、「新NISA制度の成長投資枠は、長期保有」と決めて長期投資で巨額な利益を得て、それを非課税にするのが、最も楽で、かつ非課税の効果を最大化できる活用方法でしょう。

「新NISA制度」は「株式投資を始める理由」ではなく、「少なくとも1年以上保有する長期投資による多額の利益を非課税にできる」ということに、その本質があるのであろうと考えています。

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