グローバルサウスの枠組みが固まっていない
【大橋】インドはよくグローバルサウスの盟主と言われます。ところが、このグローバルサウスという枠組みは、カテゴライズする人によって全然違っていて、国のラインナップがまだ固まっていません。
これぞグローバルサウスという枠組みがハッキリしていないため投信商品は、まだまだ少ないのが現状ですが、2023年10月、SBIアセットマネジメントが「EXE-i」というシリーズで、グローバルサウスのファンドを組成、運用を開始しました。これを機に今後同様の商品がたくさん出てくるかもしれませんね。
なお、BRICSの企業の株を扱った投信商品もあります。ただ、現在はBRICSには中国、ロシアが軸となっていますのでリスクが高いかもしれません。
【エミン】そういえば、どちらにもインドは入っていますね。
【大橋】インドは調子がいいんです。BRICSは、いざ何かあると米国に制裁される不自由さから脱しようとしている。「米国が決めたルールなど聞いていられない」と考える国の集まりというようなイメージになってしまいました。
BRICSは「反米的な集まり」のイメージがついてしまった
【エミン】「反米的な集まり」というレッテルが張られていますね。
【大橋】かつてのBRICSは単純に、「有望な経済成長国の集まり」というイメージがあったことから、きわめて前向きな投資対象でした。
ところが最近は、BRICSの首脳が集まって、「反西側先進国」のメッセージを発信することが増えました。彼らが仮に何か出すぎた事件を引き起こしたときに、米国がペナルティを科すようなケースは、十分に考えられると思います。
そうであれば、投資先としてBRICSよりはグローバルサウスに向くほうが正解ではないでしょうか。
グローバルサウスには多くの国が入っています。基本的に、これから人口が増え、GDPが飛躍的に伸びると予想される国々の集まりです。