さて、自分が書き込んだことがバレてしまったとしよう。この場合、発生するのは民事責任、刑事責任・行政法上の責任、労働契約上の処分の3つである。

民事責任で考えられるのは「この書き込みのせいで業績が落ちたから損害賠償しろ」というもの。これは新製品についてウソの情報を流したために売り上げが激減した、というような場合はともかく、会社への不満を言った程度ではそれほど大きな金額を請求されることはないだろう。

刑事責任や行政法上の責任では、信用毀損罪で告発されるとか、風説を流布して株価に影響を与えたとして、証券取引等監視委員会に呼び出され、課徴金を科されることなどが考えられる。

しかし会社員にとって一番怖いのは、3つめの労働契約関係の処分、すなわち減給、けん責、あるいは解雇である。とりわけ解雇されると再就職にも差し支えるため、できるだけ避けたい。そこで重要なのが、徹底的に抵抗することである。もし会社に「責任をとって辞めろ」と言われても、自分から退職届を書いてはいけない。

「出来心でした。お叱りは甘んじて受けますが、解雇には相当しないと思います」と食い下がることだ。労働者は労働法によって保護されており、よほどの理由がなければ解雇は難しい。諦めずに抵抗した者勝ちである。とはいえここまで開き直るには精神力が必要。こうなる前に、居酒屋でグチをこぼすのとネットに会社の悪口を書くのは、法的にまったく重みが違うということを意識すべきだ。

(構成=長山清子 撮影=坂本道浩)
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