自分の意思や価値観にそぐわない指示をされたら?

【面接官が知りたいのはココ!】
従順さと自己主張の強さのバランスを見極めたい
仮説から回答を展開する想像力・構成力はある?

もちろん、コンプライアンス違反の命令を従順に受け入れる「イエスマン」は求めていません。

中谷充宏『20代~30代前半のための 転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)

一方、自己主張が強すぎて業務に支障が出るのも困ります。

要はバランスです。

いずれにせよ、なぜその対応になるのか、具体的エピソードを交えて分かりやすく説明してもらい、当社で働く上で問題がないかを見極めたいと、面接官は思っています。

また、仮説を立てて、こういうケースではこう対応するといった組み立ても必要になってきます。

「緊急を要するケースなら、つべこべ言わず受け入れるが、自分の意見を反映してもらえるような雰囲気であれば、そのまま従わずに上司に提案してみる」といった具合です。

このような条件分岐や、仮説を展開する想像力や構成力も、見極めたいのです。

たとえばこういう人の場合

28歳女性、大卒。今まで新卒入社した会社に勤務。今回は2社目の転職で、同業種・同職種への応募。

NG!
「勤め人である以上、業務命令は絶対ですから、自分の意思に関係なく従います」

↑これでは単なるイエスマンといった印象しか残りません。

OK!
「2つにパターン分けして考えます。まずは組織の一員として、私見をはさむ余地がない指揮命令であれば、きちんと従います。
逆に、提言できる状況なら、命令系統に向き合った上で従うようにします。
前職では2年前に社員の反対を押し切ってノルマ制が導入され、納得しない社員は辞めました。売上増が本来の目的なのに、戦力である社員を辞めさせるのは本意ではないはずと考え、上司に冷静に掛け合って一部を改良して頂いた経験があります。
素直さも大切ですが、声を上げることも必要と実感した次第です。
今後も状況を判断して行動していきたいと思います」

↑最終的には従うという結論でも、プロセスを構成立てて説明できています。前職の実体験を語ることにより、応募企業での活躍も期待されることでしょう。

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